Dom/Subユニバース作品、OOYさん原作の『カラーにくちづけ』のネタバレと感想になります。
作品情報
大学生の黒田美樹(ミキ)は、過去に無理やりカラー[首輪]をつけられ、Domを拒絶するようになったSub。 「こんな性もDomも大嫌いなのに…」 そう頭では否定していても本能は支配を求め続け、溢れる熱を官能小説で満たしていた。 ある日、ベビーシッターに訪れた先でDomである森屋と出会ったミキ。 警戒しながらも仕事を終え帰ろうとしたところ、リビングの本棚で例の小説の未発表作品を偶然見つける。 思わず夢中で読みふけっていると、昂ぶった下半身を森屋に気づかれてしまって…!? 【第二性】と呼ばれる主従関係が存在する世界で芽生える、 幸せと愛にあふれたDom/SubユニバースBL。 圧力での支配じゃなくて、 アナタの優しい支配=“愛”が欲しい…。
ハッピーエンドが好きな人
痴情のもつれ展開が美味しくいただける人
子持ち・バツイチ設定が好きな人
この漫画の設定で使われているのはDom/Subユニバースという特殊世界設定です。
発祥は海外の二次創作らしいです。
Dom、Subといった男女性とは異なる性が存在しています。
あらすじ
主人公でSubのミキは、過去にDomに無理矢理プレイをされ、サブドロップした経験を持つ。
Domへのトラウマを抱えながらも、Subとしての本能はDomを求めてしまう。
そんな自分を小説を読むことで抑えながら生活していた。
そしてある日、ベビーシッターの仕事である家を訪れる。
インターホン越しに響いてきたのは、なんとこれまで避けてきたDomの声・・・!
中から出てきたのは、
締め切りに追われ見た目もモサッとした依頼主の「森屋」という男。
仕事を断って帰ろうとするも、
話をする暇もなく娘の面倒を任されてしまう。
仕事を放棄するわけにもいかず、そのままその日はシッターの仕事を全うする主人公。
仕事を終え、家を後にしようとしたその時、ミキの目に飛び込んできたのは、
日頃自分を満たしてくれている「潮先生」の小説たちであった
帰らなければという気持ちの半面、
大好きな小説を前に興味と本能をそそられ葛藤するミキ。
ついに本能に負け、そのままリビングで小説を読んでしまい—
なんと仕事を終えた森屋に、小説を読んで発情していたところを目撃されてしまう。
ミキがSubと気づいた森屋は、
そのままなし崩し的にDom/Subプレイに及んでしまったのであった・・・
森屋とのDomプレイが今までの相手と違って優しかったことなどを思い出すたびに森屋のことが気になってしまう。
結局訪れた2回目の訪問で、
なんと森屋が、ミキがずっと拠り所にしていた小説の作者「潮先生」だったということが判明する。
お互いのことを意識しているミキと森屋
ベビーシッターの仕事でミキを呼び出すのをしばらくやめて諦めて身を引こうとするが、
なんとミキが自ら森屋の元にやって来てしまう
二人の関係性は曖昧なまま、コマンドプレイに及んでしまう
なんと過去にミキへ無理矢理カラーを付けてSubとしてミキを縛り付けた相手、「羽賀」だったのだ—
感想まとめ
今回、この「カラーにくちづけ」は、
タイトルに「カラー」と入っているだけあって、
カラーの使い方がとても良き と思います
Dom/Subユニバースの世界で「カラー」(首輪)とは、DomからSubへ贈る所有の証を指します。
作品の世界観によってその役割、解釈は微妙に異なります。
単に所有の証の場合もありますし、男女でいうところの結婚指輪のような、お互いを唯一の相手と証明する証としての役割を担う場合もあります。
今作でカラーは、元々はミキを縛る呪いのような役割を担っていましたが、
森屋と出会ったことで、ずっとカラーに縛られていた自分と、向き合うことができるようになります。
カラーを贈ることが終着点になってハッピーエンドになるDom/Subモノもありますが、それによって苦しめられているSubもいるというカラーのマイナス面が描かれている部分にも注目したいです
気になるDom/Subプレイの内容は・・・?
今作ではそこまで過激なコマンドや、プレイは出てきません。
もし、Dom/Subらしい過激なコマンドプレイを求めている方には、プレイ面ではちょっと物足りなく感じるかもしれません。
ただ、注目してほしいのは主人公ミキくんのいじらしさというか
結構無自覚で色気を振りまいて攻めの森屋を振り回している感じがなんとも魔性って感じで可愛いです
攻めの森屋は子供もいるし年齢もいってるのですが、
大人の余裕たっぷりかというと、
Domとわかったのが成人してからということで、Domとしてはほぼ童貞みたいなものなのです
身体も大きくて仕事もできて娘もいる、
男としての色気も熟成してきている森屋が、
天然魔性のミキにめろめろになっている様子はメシウマものです!ぜひ注目してください
そしてこれはいろんな口コミなどにも書かれていることなんですが、
カップリングまでは成立していないんですけど、
ミキのトラウマの元凶となった元相手の「羽賀」も
実は自身のDom/Sub性にトラウマを抱えていたことが後になって明かされます。
それにいち早く気づいたのが羽賀の同僚で森屋の担当編集、
キツネ目で飄々としていて何を考えているのかわからないタイプの男、「仁川」(にかわ)だったんです
この仁川と羽賀も、これから何か始まる予感・・・!
腐女子お得意の行間読みが爆発するような描かれ方をしていて、今後が気になります!
主人公ミキと森屋の甘々プレイを堪能したあとは、二人の今後へ思いを馳せるのもまた楽しんでみていただきたいと思います